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「心」

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目頭を押さえてずっとこらえていた・・・。
電話を切るあたりから もう危なかった。
熱い固まりが鳩尾からだんだんとあがってきて
そのまま喉のあたりで熱くなり続けている。

ダーリンの伯母が脳梗塞で倒れた・・という知らせを聞いたのは2週間前。
出先の神戸で倒れ そのまま神戸の病院に救急車で運ばれたのだと 義母より電話がかかってきたのだ。
梗塞が起きて2時間以内に処置をウケれば 後遺症の残る確率はグンと下がるのだという・・が 伯母の場合、「もうチョット早ければねぇ・・・」と担当医師が何度もつぶやいたとおり 結果 右半身の麻痺とろれつが回らない・・・という後遺症が残ってしまった。

私にとっては義理の伯母である。
どちらかと言えば ちゃきちゃき歯に物を着せぬ言い方で 私の地雷を踏むタイプ・・・というのだろうか・・。
「あんた、二人目つくらんね!」などと親戚の集まりの中で大声で言いケタケタ笑う(本人は悪気はないらしい)・・そんな具合だったから(苦笑)出来れば関わりたくない・・・と逃げ腰になっていたのも事実。
押し花のインストラクターをしていた関係で 強引に教室に通う羽目になり ため息をつきながら2年間彼女のお喋りに相づちをうち シャレにならない額の月謝を払い続けた。

知らせを聞いた時はそりゃぁショックだった。
実の甥であるダーリンなんかよりは 伯母と過ごした時間は断然長かったし さぞ辛い思いをしているのだろう・・・と案じる気持ちもあった。
でも・・それは2,3日のこと。
息子のインフルエンザ騒動や自分の忙しさで すっかり忘れてしまっていたというのが本音。

「ゆ・・う・こ・さ・・ん?」
「ゆ・・・う・・こ・・さん?」
受話器の向こうで伯母が私の名前を呼んでいる。
「ゆ・う・・こ・・さ・ん?」
しゃべれない・・と聞いていた彼女が何度も私の名前を繰り返していた。
動転していて言葉を失っている私に「お見舞いありがとう」とややろれつの回らない口調で言う・・
その声を聞いて 目頭の辺りがじんわりと溶けるように熱くなる。

電話を切って後 どうコントロールしても涙がとまらず しばらく手で顔を覆ったまま動けなくなってしまった。
1週間前 お見舞いにいくという姑の心ないひと言に腹を立て 「ふんっ」という気持ちでお見舞いを言付けた。
「あの時、やっぱり一緒に行ってあげれば良かった・・・」
辛いのではない・・自分が行かなかったことで後悔してはいるけれど もっと違う暖かい感情が胸の中に広がっていく。
「情がわく」という言葉がある
歳のわりに可愛いい声をして なぜか博多弁を話す伯母の たどたどしいながらも 元気な声を耳にして なんだか無性に「安堵」した。

近いウチに高速飛ばしてお見舞いに行こう・・・・。
そう思って顔を上げたとき もう涙は止まっていた。
 
by 4seasons-kurumi | 2006-02-12 21:40 | 真面目な話
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