息子がお腹にいるとき、子宮壁にこぶし大の筋腫があるのがわかり、切迫早産・・・の危険が高い・・とのことで 妊婦生活のほとんどを病院のベットで過ごした。 24時間点滴のポンプの黄色い点滅の光と ガタガタッと定期的に低く唸るポンプの振動音 子宮胎内音に安心して泣きやむ赤ちゃんがそうであるように、身二つになってからでも しばらくは 音のない・・静まりかえった夜の闇が妙に不安だった。 入院生活はひどく退屈なもので、最初のウチは毛抜きで腕の毛を一本一本抜いたり、窓辺のの光に手のひらをかざして 手のシワを丹念に観察したりして時間をつぶしていたのだが やがて抜くことができる毛もソコをついてしまった・・・(笑) 枕元の体温計のホルダーに忍ばせた小さな毛抜きも 出番が少なくなり、 長丁場になりそうな入院生活の暇つぶしの手段を真剣に考えはじめた矢先、ダーリンが64色の水彩色鉛筆を買ってきてくれた。 この色鉛筆、大活躍で 私はいつもいつも絵を描いていた。 来る日も来る日も、お見舞いにいただいた花のスケッチをした。 ある時、ふとイイコトを思いついた。 よく赤ちゃんを生んだ友人達から届く、写真入りの「生まれました」の葉書。 子供の写真だけ・・・というのは 昔からどこか抵抗があったもので それを手作りのカードにしよう!と考えたのだ。 マダ見ぬ我が子の顔はスケッチのしようもないので 肌色の色画用紙を切り抜いてたくさんのキューピーを作り それを葉書に貼り付けて でかでかと「生まれました!」と文字を入れた。 男の子か女の子か・・・わからないように ちょうど上のスタンプ画像のように別紙で隠し、実は密かに「おちんちん」まで描き入れるという懲りよう・・・(笑) この葉書を 生まれたその日にポストに投函しようと企んでいたのだが、残念・・・ついぞそのまま投函されることはなかった・のだけど。(子細はご存知の通り・・・) なにか 懐かしい感じのするスタンプのモチーフを・・と思いを巡らしているときに ふっとあの時のキューピーの葉書の存在を思い出した。 そうだ、キューピーにしよう! 思いついたら吉日・・・・ さっそく、彫り上げてみた。 10年前に感じたいろいろな思いが 一気に蘇る瞬間。 あの葉書、あの後、どうしたのだっけ・・・。
by 4seasons-kurumi
| 2006-03-09 20:52
| 消しゴムはんこ& 蔵書票
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