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サクタロウ物語

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この世の中で垂れ目の子猫ほどカワイイものが存在するだろうか?
サクタロウ5歳
代々の青猫がそうであるように、彼の目は憂いを帯びた悲しい色をしている。
そして、代々の青猫がそうであるように、「憂鬱」と「一羽のピヨ」と「白くて小さい花」だけが 彼の友達であった。





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ある日の朝小さい青猫は「ピヨ」といつもの散歩に出かけた。

毎朝7時
青猫は白い小さい花に飲ませる水を汲むため、ピヨは乾いた羽根をぬらすため
10分ほど歩いた先の小さな小川に出かける。

ピヨはひとりで歩けない。
蜜柑色のお散歩紐を引いてやるのは 青猫の大事な役目。
ごとん、ごとん、ごとん
ごとん、ごとん、ごとん

小川へと続く道は ここから上り坂になる。

青猫の小さな足できっかり174歩登ればそこからは下り。
あとちょっとの辛抱だ。

ごとん、ごとん、ごとん
ごとん、ごとん、ごとん

ごとん、ごとん、ごとん
ごとっ!!

あと33歩という時になって
急にピヨがもう歩けないと言い出した。


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足が痛くてもう一歩だって歩けない・・と言う。
青猫も一緒に困って 泣きそうになる。
そして、二人でこのピンチをどう切り抜ければいいか一生懸命話し合った。
あまりに真剣に話し合った証拠には、もうお日様は真上に!

二人は顔を見合わせて言った。

「お昼ゴハンを食べに家に帰ろう!!!!」笑
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青猫はピヨを抱っこして141歩坂を下り、
我ながら良いアイデアだなぁ♪
と悦に入りながら家へ帰ってゴハンを食べた。

え?白い花の水はどうしたのかって?
もちろん
「ごめんね・・♪」って悲しい目を精一杯悲しく潤ませて謝ったんだそうな・・滝汗

なんて青猫らしい!!




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by 4seasons-kurumi | 2007-03-31 00:59 | 猫劇場*人形
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